世界で活躍する日本の芸術家たち。

深堀隆介

深堀隆介(ふかぼりりゅうすけ)は横浜市出身の美術作家です。アクリル樹脂を使って木桶の中に絵を描き、まるで本物の金魚が泳いでいるかのように見せる作品「金魚酒」が有名です。日本国内はもちろんの事、海外でも大変な人気があり、彼の作品はオークションなどで高額で落札されています。一貫して金魚の絵にこだわっており、現在は金魚以外の絵は全く書いていないのだそうです。

プロフィール

1973年1月13日、愛知県名古屋市にて、3人兄弟の次男としてうまれました。兄は胡麻ソムリエの深堀勝謙です。既婚者で2児の父親でもあります。1995年に愛知県立芸術大学美術学部メディアデザイン専攻学科を卒業しました。卒業後はフリーランスを経たのちディスプレイ会社に就職します。この会社で現在の「金魚酒」に使われているアクリル樹脂と出会いました。1999年、26歳の時にディスプレイ会社を退社し、創作活動を開始。最初は上手くいかずスランプに陥ったりもしました。作風も定まっておらず、立体的な絵を描いたり、平面の絵を描いたりと試行錯誤を繰り返したそうです。しかし同年には島根県仁多町八代の旧須山医院にて、自身初の展覧会を行っています。それでもまだスランプは続いていました。2000年に入り、スランプから脱出するきっかけを作ってくれたのは1匹の金魚でした。深堀は学生時代にスランプに陥った際、店じまいをしていた屋台の店主から「もう要らないから」と100匹近い金魚を譲り受けました。しかし本人は飼い方もろくに知らなかったため、粗末に飼育をしていました。そのため金魚は次々死んでいったのですが、そんな環境下でも1匹だけ金魚は生き残り、なんと7年間も生き続けたのでした。その金魚に魅了され、そこから金魚の作品の制作が始まったのでした。本人は、1匹の金魚が自身をスランプから救い出してくれたというこの出来事を「金魚救い」と読んでいます。2002年には、器の中に樹脂を流し込み、その上に直接金魚を描くというオリジナル技法をあみ出して発表します。2003年には、アクリル樹脂を利用した、現在でも本人の代表作となっている「金魚酒」が、ターナー・アクリル・アウォード2003で入賞しました。2004年には結婚し、神奈川県横浜市に移住します。2007年には貸工場を改装し、新たにアトリエ「金魚養画場」を開設しました。2012年には、池袋西武にて行われていた自身の個展が、7月21日にTBSテレビの王様のブランチ内のコーナー「ジャックと豆知識」で紹介されました。5分ほどの内容だったのですが、これが大反響となり、土日には40分の入場待ちとなる非常に長い行列ができ、約10000人の入場者が訪れました。2013年には調布市文化たづくりにて自身の個展を開催し、開催中の7月17日10000人を超える来場者を記録しました。2014年に大分のアートプラザで行われた個展「金魚救い」には、8月3日に10000人、8月15日に10000人、最終日の8月24日には30000人を超える入場者が訪れました。

受賞歴

  • 1995年・・・愛知県立芸術大学卒業制作展 片岡修賞
  • 2000年・・・富士銀行ストリートギャラリー採用
  • 2001年・・・京都嵯峨芸術大学アートコンペ2001 特別賞
  • 2003年・・・みずほ銀行ストリートギャラリー採用
  • 2003年・・・ターナー・アクリル・アウォード2003 今井祝雄賞
  • 2006年・・・第9回岡本太郎現代芸術大賞展2006 入選
  • 2012年・・・PERSPECTIVE 透視 40under40 2012 ART部門受賞(香港)

深堀隆介の魅力

木桶や升の中に金魚が泳ぐ様子を描いた「金魚酒」が有名な深堀隆介。その細やかな技術と丁寧なタッチの絵は、日本人にしか出せない繊細さを持っていると思います。アクリル樹脂を少しづつ流し固め、その上に絵を重ねることで立体的な金魚に見せるというこの手法は、深堀を真似して海外でも色々なアーティストがアクリル樹脂を用いた作品を発表しているようです。ですがこの手法は深堀自身が何年も何年も試行錯誤して見つけ出した手法であり、その繊細さまでは決して真似できないと思います。柄杓や升の中で泳ぐ深堀の金魚は、まるで生きているかのようです。今にも動き出しそうな金魚たちに、生き生きとした水草たち。手を伸ばしたら触れられそうなくらいです。色を塗っては樹脂を流して固めるという作業を何度も何度も繰り返して行うことで、ただの絵だった金魚に命が吹き込まれるのです。お祭りの縁日で貰って来た金魚が、こんなにも美しい芸術作品に代わるなんてびっくりです。最近では金魚や水草だけでなく、水の波紋や酸素ポンプから出る泡まで再現しています。金魚一つをとってもどれ一つとして同じものはなく、個性的で鱗のひとつひとつまでが丁寧に描かれているのが分かります。村上隆や会田誠も確かに凄いのですが、私は日本人の勤勉さが判るこういった作品こそ、もっと海外にアピールしていってほしいなと思いました。